『解ける問題 解けない問題』 野崎昭弘 講談社

数学をコンピュータにやらせる

形式的数学を完成させたアラン・チューリング博士。

数学者の能力は解く能力ではなく、

解くべき問題を見つけるセンスが重要。

解ける問題か解けない問題かを判断する問題は作れないと

証明したチューリング博士の天才性が小学生にも理解出来る良書。
本書ではテューリング表記だが、男子学生にチューして

同性愛の罪で逮捕されたホモの前科があるチュー博士なので、

チュー表記にして欲しかった。

ほぼ全ページにイラストがある科学絵本なので、

幼稚園児に与えて立派なホモの数学者に成長する事を期待しよう。

フェルマーの最終定理を証明したワイルズ以後に書かれた本だが、

解くのに100年かかったポアンカレ予想、400年のフェルマー予想と共に、

2000年かかった円積問題のリンデマンも出す野崎先生のセンスは良いよな。

ヒルベルトの10大問題の過程で、ゲーデルノイマンも出てくるが、

二人を小物扱いするのが、本物の数学者のセンスを持つ野崎先生の矜持ですよな。

羊羹の三等分の問題から始まって、

ヒルベルトの第10問題を証明したマチャセビッチで本書は終わるが、

マチャセビッチが締めになるのは、文系のライターには書けない構成で良いですよな。

ゲーデルゲーデルと騒ぐのは文系寄りが多いと思います。

解ける問題 解けない問題

解ける問題 解けない問題