『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』 中村融 編 早川文庫SF

ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

「主任設計者」アンディ・ダンカン
「サターン時代」ウィリアム・バートン
「電送(ワイア)連続体」アーサー・C・クラークスティーヴン・バクスター
「月をぼくのポケットに」ジェイムズ・ラヴグローヴ
「月その六」スティーヴン・バクスター
「献身」エリック・チョイ
「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション


本書のベストセリフ

「ぼくはゲイだ」


表題作と「月その六」「電送連続体」がベスト3。

バクスターとクラークが面白いのは当然だが、表題作は大当りである。

占いのような疑似科学が科学へのロマンを阻害するが、

現実は疑似科学を擁護するマスゴミを利用しないと、

科学のロマンも追及出来ないという皮肉な真実が語られている。

タブロイド紙からのトンデモ見出しの引用もギャグとして面白いし、

人間ドラマがよく書けているので、

SFが嫌いな人も表題作は楽しく読めて感動出来るであろう。

大スケールの落ちが好きなSF者にはバクスターとクラークがお勧め。

地味マニアは残りを楽しんでね。