『死の引受人』 リンク&レビンソン 大倉宗裕 訳 二見

新・刑事コロンボ 死の引受人 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

新・刑事コロンボ 死の引受人 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

犯人の職業が葬儀社の社長という、ありそうで旧作になかったナイスな犯人像である。

被害者の死体を自社の火葬場で焼いて灰にしてヘリコプターで空から撒いてしまう。

完全犯罪である。そもそも死体が存在しないので、

殺人事件にならない。飽くまでも失踪事件である。

殺人課のコロンボが登場する余地がない。

で、コロンボが絡んでくる理由がご都合主義である。

本来担当するべき刑事が休暇中で、その刑事に頼まれたから、

コロンボが所轄を乗り越えて捜査に乗り出すという苦しい理由付けをしている。

SBの謎の解き方も御都合主義である。

「最後の一服」とほとんど同じなパソコンを利用したアリバイ工作も出てくるし、

手抜き作の印象が強い作品。

葬式を挙げてない余分な死体を火葬にした為、

犯人は被害者を燃やした後に合法的な死体の

二人分を一つの棺桶に押し込んで燃やす必要に迫られるのだが、

ここを「溶ける糸」みたいに処理すれば傑作になったと思う。

一つの棺桶に押し込もうとしている所にコロンボが現れ

大急ぎで、余分な死体を隠す必要に迫られ

あっと驚く所に隠して、コロンボがスゴスゴと退散したと思ったら、

ラストの1秒でコロンボが気付くという話にすれば

インパクトの強い傑作になったのに惜しい。

コロンボが見つける物的証拠に

犯人も途中で気付いて、

土壇場でそれをどう処理するかに争点を当てた方が面白くなったと思う。

私だったら、アレをああして、おっ、いいネタ思い付いた!

日本の火葬場に取材に行って、このトリックが可能か検証してこようか?。

可能なら江戸川乱歩賞に応募するか?

鮎川哲也賞の方がいいか?

いや、昔、本当に、海外作品の舞台を日本に変えて

オリジナルと偽って応募した奴がいたらしい。

コロンボを盗作するのは、結構盲点だと思うが、どうよ?

小説家にならないと生けていけないほど落ちぶれてはいないので、

もちろん、応募はしません、というか、小説など書く気はない。

小説家なんて、男がやる仕事じゃねえよ。

汗水垂らして真面目に働く能力がない人が小説家になるのです。

何がクリエイターだ!似たり寄ったりの盗作野郎どもが!!