『血文字の罠』 リンク&レビンソン&ハリントン 谷崎晃一 訳 二見
刑事コロンボ 血文字の罠 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: ウイリアムハリントン,R.レビンソン,W.リンク,William Harrington,谷崎晃一
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 1999/12
- メディア: 文庫
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犯人が複数犯で、被害者の残したメッセージは、
犯人Aの名をどえりゃあ捻って完全に書き残したのだが、
それがちょっと捻った犯人Bの名前の一部に思えて、
犯人達はメッセージに書き足して、第三者の犯行に思わせるという話。
よく考えたなとは思うが、所詮言葉遊びにすぎない。
コロンボのタイトルは二重の意味があるのが多くて、
タイトルとトリックも含めれば、ちょっとは評価出来るが・・・。
血文字の罠を仕掛けたのは犯人がコロンボに対してだけではなく、
被害者が犯人にも仕掛けていたという意味もある。
犯人が馬鹿というか、ダイイングメッセージは血文字に、
決まっているという盲点を突いた点は面白いと思うが、
コロンボのダイイングメッセージものの最高傑作は、
私は○○に殺されたという明確なメッセージの隠し場所を、
書類ケースに付けたキズで示したヤツだと思うので、
それに比べるとこれは見劣りする。
ダイイングメッセージは犯人に見つかったら消されたり改ざんされたりする。
馬鹿が見たらダイイングメッセージとは思わないが、
頭のいい奴が見れば気付くというネタは、
気持ちよかったですね。
最悪の場合は縦棒一本しか書けずに力尽きて死ぬかも知れないが、
それでもメッセージにはなると考え付いた被害者が、
コロンボの世界では一番頭の良い被害者であろうな。