『ウッドストック行最終バス』 コリン・デクスター 大庭忠男 訳 早川文庫
- 作者: コリンデクスター,大庭忠男
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1988/11/01
- メディア: 文庫
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モース警部シリーズ Vol.7「ウッドストック行き最終バス」【字幕版】 [VHS]
- 出版社/メーカー: 日本クラウン
- 発売日: 1999/05/26
- メディア: VHS
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悲惨な強姦殺人テーマの真面目な本格推理だが、
推理の着地の大ドンデン返しに感動する以外に、
途中の推理で大爆笑出来る本格推理って、
デクスター作品しかないよね?
知的な論理思考で笑えるというのが、重要なポイント。
しかめっ面して難しい事を考えて気取っているのではなくて、
知的遊戯として楽しむのがデクスター作品。
推理のみで、数万人の中から、犯人をでっちあげてしまう名シーンは
この作品にあります。
捜査ではなくて、推理するのが好きな主人公モース警部の個性がもっとも顕著なので、
デクスターのベストにする人がいるのも頷ける。
モースは現場で指紋採集などしない。
自分の好敵手となるべく知的な犯人が、指紋を残すなどというミスをしてはいけないのだ!
物的証拠を集めれば推理する必要がないのに、
モースは推理に耽ってしまうのだ。
仮説を立てては、物証で覆されるというパターンが多いが、
その論理の多さがデクスターの魅力。
ラストの大どんでん返しは私はあまり、大だとは思わなかったが、
デクスターの魅力は、途中の仮説の量である。
論理の迷宮に酔うのがデクスターの楽しみ方。
はっきり言えば、真犯人はどうでもいい。
というか、クリスティ作品の真犯人を忘れる奴はいないと思うが、
デクスター作品では、それはありえますw
「死はわが隣人」に繋がっているエピソードがあるという説もあるが、
私は気づきませんでした。
気づいた人、教えて下さい。