『マグニチュード10』 アーサー・C・クラーク&M・マクウェイ 内田 昌之 訳 新潮
- 作者: アーサー・C.クラーク,マイクマクウェイ,Arthur Charles Clarke,Mike McQuay,内田昌之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/11
- メディア: 文庫
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私もよく買ったものだと思うが、
これは、マイク・マッケイ(電脳惑星はこの表記だったと思うが)の作品にしては、
大当たりの傑作である。
事実クラークは一字も書いておらず、
850字のアイデアのみをマッケイに渡したのだが、
このSFアイデアが素晴らしい!
(ってこれと日本沈没以外に地震SFってないか?パニックSFで地震が起こるのは2・3あったように思うが・・・)
後漢時代に張衡が発明した、
世界最初の地震計の事も語られていると書けば、
地震SFとして如何に深い作品か、
理解してもらえるであろう。
現実の20世紀の地震学者は2世紀の張衡と地震に対するアプローチは同じである。
これはSFであるから、この作品の地震学者は、
地球を地震の発生しない惑星に改造する方法を思い付くのだ。
惑星改造レベルの話になる究極の地震SFである。
プロローグは1994年、カリフォルニア州ノースリッジ大地震で、
主人公が両親を失う場面で始まり、
エピローグはなんと、2058年(+n年)の月面都市である。
地球を地震の起きない惑星に改造出来たので、
今度は月の改造に乗り出したのか、
それとも、地球が大地震で崩壊したので、月面に避難したのか、
貴方の目で確かめて下さい。
これがワクワクするSFマインドのセンスオブワンダーというものである。