「コロノスのオイディプス」『ギリシア悲劇 II ソポクレス』 高津春繁他訳 ちくま文庫
- 作者: ソポクレス,高津春繁
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1973/04/16
- メディア: 文庫
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盲目の乞食として、娘に手を引かれ、
諸国を放浪していた。
コロノスに来たオイディプスは、
森林の中にあった石に腰掛けて休憩していたら、
地域住民が大騒ぎ!
そこは復讐の女神エウメニデスの聖林だったのだ!
オイディプスは依怙地になって居座り続ける。
それは、エウメニデスにとっては、
オイディプスが自分に親しみを感じていると解釈された。
神々にいちびられてきたオイディプスは、
エウメニデスを味方につけ、
神々との和解に成功する。
死ぬまでオイディプスを庇護することを誓う。
畸形の神として祀られることがケテーイしたオイディプス。
息子ポリュネイケスはテーバイ王の地位を弟と争っていたが、
神託は、オイディプスを味方にした者が勝つということだった。
ポリュネイケスはオイディプスを捜してコロノスに辿り着くが、
オイディプスは、兄弟同士で殺しあって二人とも氏ね!
と呪詛する。
落胆しながらもポリュネイケスは七つの軍団の長としてテーバイへ行軍する。
そして、オイディプスはハデスの使者とともに、
死体を残さず冥府へ消えて物語は終わる。
ソホクレス晩年の作品だが、
コロノスってソホクレスの出身地ですってよ!
美少年ダンサーとして芸術界にデビューしたソホクレスだが、
戯曲作家として栄光の人生を歩み、
最後は、神になることを望んだのだなと思いました。