「コロノスのオイディプス」『ギリシア悲劇 II ソポクレス』 高津春繁他訳 ちくま文庫

ソポクレス コロノスのオイディプス (岩波文庫)

ソポクレス コロノスのオイディプス (岩波文庫)

テーバイを追放されたオイディプスは、

盲目の乞食として、娘に手を引かれ、

諸国を放浪していた。

コロノスに来たオイディプスは、

森林の中にあった石に腰掛けて休憩していたら、

地域住民が大騒ぎ!

そこは復讐の女神エウメニデスの聖林だったのだ!

神罰を恐れて、オイディプスを立ち退かせようとする住民たち。

オイディプスは依怙地になって居座り続ける。

それは、エウメニデスにとっては、

オイディプスが自分に親しみを感じていると解釈された。

神々にいちびられてきたオイディプスは、

エウメニデスを味方につけ、

神々との和解に成功する。

エウメニデスの聖林を自分の墓所にしたいと言うオイディプス

聖林の人間側の管理代表アテナイテセウスはそれを認め、

死ぬまでオイディプスを庇護することを誓う。

畸形の神として祀られることがケテーイしたオイディプス

息子ポリュネイケスはテーバイ王の地位を弟と争っていたが、

神託は、オイディプスを味方にした者が勝つということだった。

ポリュネイケスはオイディプスを捜してコロノスに辿り着くが、

オイディプスは、兄弟同士で殺しあって二人とも氏ね!

と呪詛する。

落胆しながらもポリュネイケスは七つの軍団の長としてテーバイへ行軍する。

そして、オイディプスはハデスの使者とともに、

死体を残さず冥府へ消えて物語は終わる。

ソホクレス晩年の作品だが、

コロノスってソホクレスの出身地ですってよ!

美少年ダンサーとして芸術界にデビューしたソホクレスだが、

戯曲作家として栄光の人生を歩み、

最後は、神になることを望んだのだなと思いました。