『詭弁論理学』 野崎昭弘 中公新書

詭弁論理学 (中公新書 (448))

詭弁論理学 (中公新書 (448))

日本一の数学解説者野崎昭弘先生の

時代を越えた傑作。

30年前の本なので、論理学の話題は古過ぎるが、

論理学を学ぶ目的論が人生の教科書として素晴しい。

詭弁強弁を駆使して他人を支配しようとする者から逃げる為に

論理学を学ぶのである。

議論に詭弁強弁を使う相手には、

「あなたの考え方にはついていけない」

と避けるのが賢い生き方。

相手が詭弁強弁を使う人格破綻者と見破る為に、

論理学の知識が必要なのである。

そして、他人をやり込める為ではなくて、

知的興奮のネタとして論理パズルを楽しめばいいのである。

他人を尊重するまともな大人は、

議論して相手を叩きのめそうなんて考えない。

人柄の良い人間は詭弁強弁に絶句するものである。

無神経な若い女やおばちゃんに

口喧嘩で負ける自分のエピソードを

野崎昭弘先生は開陳してるのが凄い!

東大卒なのにこんなに腰の低い偉ぶらない先生も珍しいよね。

野崎昭弘先生が体験した理不尽なエピソードがいっぱい出てきます。

自分だけでなく、妻や娘が酷い目に遭ってるのに、

百戦百敗の事例を紹介するとは、

野崎昭弘先生は、男は妻や子を守る為に戦って、

他人を傷つけるべし!という古臭いジェンダー観も乗り越えている素晴しい人である。

自分の面子丸潰れのエピソードも平然と書く野崎昭弘先生は凄いよな。

知識があるということと、

それを武器にして戦えるということは別問題です。

人柄が全て。

自分の為にも家族の為にも戦わず、

純粋に知識で遊ぶ野崎昭弘先生はほんとの知的な人だな。

議論に強いのは頭が良いのではなくて、

人柄が悪いのです。

自分の意見が絶対に正しいと押し付けてくる

野蛮なゴロツキは相手にせずに無視すべし!