『パレード旅団』 鴻上尚史作(潤色) 斐太高校
- 作者: 鴻上尚史
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1996/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
いじめられっ子の中学生達7人が集う秘密の楽園チャットを演じた作品。
と、思ったら、教師志望の人格障害者の大学生を、
チャットの中で殺してしまい、
チャットが実体化したのか、チャットだと思い込んでいただけで、
現実に会っていたのか訳が判らなくなる演出である。
鴻上尚史の原作では、大学生は、資産家の娘の家庭教師だった筈で、
現実に殺してしまったと解釈するのが妥当だろうが、
判りにくい演出ですな。
「このままでは、自殺するしかない。」
「死ぬのはイヤダ!」
「こっちが死ぬか、いじめっ子たちを殺すかだ!」
と、追い込まれるいじめられっ子の叫びが、胸に迫ります。
ラストで100人近いいじめっ子軍団に強襲され、
投石、ボウガンが飛び交う、血で血を洗う戦争状態に突入する直前に、
いじめられっ子たち7人が、
「生きてここを脱出出来たら、みんなで、日本中の自殺しようとしている
いじめられっ子救済の旅に出かけよう」
と、夢見るシーンがせつない。
彼ら7人が脱出出来たかは、語られないが、
もちろん、脱出出来たに決まっているがね!