『パレード旅団』 鴻上尚史作(潤色) 斐太高校

パレード旅団

パレード旅団

シビアないじめものである。

いじめられっ子の中学生達7人が集う秘密の楽園チャットを演じた作品。

と、思ったら、教師志望の人格障害者の大学生を、

チャットの中で殺してしまい、

チャットが実体化したのか、チャットだと思い込んでいただけで、

現実に会っていたのか訳が判らなくなる演出である。

鴻上尚史の原作では、大学生は、資産家の娘の家庭教師だった筈で、

現実に殺してしまったと解釈するのが妥当だろうが、

判りにくい演出ですな。

「このままでは、自殺するしかない。」

「死ぬのはイヤダ!」

「こっちが死ぬか、いじめっ子たちを殺すかだ!」

と、追い込まれるいじめられっ子の叫びが、胸に迫ります。

ラストで100人近いいじめっ子軍団に強襲され、

投石、ボウガンが飛び交う、血で血を洗う戦争状態に突入する直前に、

いじめられっ子たち7人が、

「生きてここを脱出出来たら、みんなで、日本中の自殺しようとしている
いじめられっ子救済の旅に出かけよう」

と、夢見るシーンがせつない。

彼ら7人が脱出出来たかは、語られないが、

もちろん、脱出出来たに決まっているがね!