『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』 S・ウェッブ 松浦俊輔 訳 青土社

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス

けいちゃっぷさんとゴキゴキさんのブログで紹介されていて、

気になって読みたかったが、

ど田舎の市内の本屋には置いてなく、

市外へ車を走らせ、GET!(素直にアマゾンに注文しろよw)

で、入手するのには数ヶ月かかったが、

読み始めたら面白くて、

二日で読了しますた。

仕事がなければ徹夜して一気に読んだのだが…。

で内容は、ゴキゴキさんの紹介とは被らないように紹介すると、

宇宙人問題を考えるということは、

知性とは何かを考えることに辿り着き、

認知科学や動物行動学の話題が特に面白かったです。

私はチンパンジーは手話が出来ると信じていたが、

あれは、TV局のやらせだったと暴露してます。

チンパンジーが三単語を組み合わせて、

「ワタシ、バナナ、ホシイ」

という意味ある文を手話で人間に話しかけるVがありましたが、

チンパンジーは単語の意味は理解出来ないそうです。

人間の手話を真似ただけ。

こういう動作をすれば、

餌が貰えるという意識があっても、

体系化された言語を理解する能力は人間にしかないのが科学的事実だそうです。

擬人化して考えることは誤謬を生むという作者の主張は、

科学教の信者は忘れてはならない。

プレーリードッグは、

鷲と穴熊という外敵に対して、

別々の警戒音を発する。

その警戒音を聞いた仲間のプレーリードッグは、

警戒音に応じた別々の防御策を取る。

人間の視点からは、プレーリードッグが、

「鷲が現れた!みんな地中の巣に戻れ!!」

穴熊が現れた!みんな地上を走って逃げろ!!」

などのような言語を発してるように解釈出来るが、

それは間違いであり、単なる警戒音である。

この仲間を助けるような行動は、

動物にも深い愛情や友情があるようにも見えるが、

それも間違いである。

動物は言語を持たないので、深い思索は出来ません。

深い意味を擬人化して読み取るのは間違いである。

詳しい解説は買って読んでね。

天文学ネタでは、

生命が発生する確率は10の130乗分の一と

具体的な確率が明記されていて良かったです。

一番短い時間は10のマイナス43乗秒と言われるから、

10のマイナス43乗秒に一回生命が発生するチャンスがあったとして、

宇宙の年齢を割った可能な試行回数は、4.7304×10の64乗

大サービスして10の65乗回としても、10の130乗回には達しませんな。

丁度半分。

300億年経たないと宇宙には生命が発生してはいけないのです。

宇宙の年齢は137億年だから、

三分の一から二分の一の確率でいいんじゃないかと解釈する人もいそうだが、

本当は試行回数を何兆重ねようが、

確率が上がるわけではないので、関係ない。

六回投げれば必ずサイの目の六が出るわけではない。

確率は大きなスパンで収斂するので、

何兆回と投げれば、六の目が出る確率は六分の一に近づくということである。

300億年経っているのなら、宇宙に生命が発生してもいい。

だが、137億年という若い宇宙に地球人がいるので、

今の宇宙にいる宇宙人は地球人のみと判断するのが科学的です。

300億年に一度の奇跡がポンポン起こるわけがない!

これは50の理由のひとつにしか過ぎないが、

ジョーンズ理論と呼ばれ私が一番好きな理由です。

しかし、ジョーンズ博士の学説だとは強調されてない。

生命が今の宇宙に発生してるのは間違いだが、

進化して文明を築くにも様々な障害がある。

ドレイクの式では、地球型惑星には生命が発生するとするが、

発生しても、生命が進化する長い時間を地球型惑星に与えるには、

木星型惑星が重力バリヤーとして、

外惑星として1個か2個必要である。

太陽系に侵入してくる危険な彗星や隕石は、

木星の高重力に引かれて木星に落ちるのです。

木星があっても、一度は危険な隕石が地球に落下し、恐竜は滅びた。

木星タイプが3個以上あれば、重力の盾が増えて安全性が増えるかというと、

そうではないのも面白い。

巨大惑星が3個以上あると恒星系が安定せずに、

結局全ての惑星の軌道が生命の存在に適さないものになるそうです。

この木星ネタはNHKスペシャルでもやっていて知っていたが、

天文学ネタとしては、

二重惑星と言っていいほどの巨大な衛星が、

生命の進化には必要だという説が私には初耳で面白かったです。

作者はSFファンなのでSFからのネタも50の理由として挙げているので、

SFファンはより面白く読めるであろう。

SF作家の説は、宇宙人が発生してもすぐ滅びる理由、

地球人にコンタクトして来ない理由がメインだが、

ギャグの思考実験としてとても面白い。

宇宙人は宇宙に次々と発生するが、

電波を出す文明を築いた時点で、

とある宇宙人が作ってしまったパーサーカーに、

次々と全滅させられているのだ!

なら、何故パーサーカーは地球に攻めてこない?w

一番笑ったのは、

宇宙人は宇宙人の惑星で宇宙人のインターネットするのに忙しく、

他の星になど興味を持たない説である。

笑えるが、ネット依存症の人間が増えている現在ならではの説ですな。

存在しないので、地球に来ることはないのだが、

もし、宇宙人が地球に来ても、

ネットで忙しくて、生の宇宙人など見たくないという奴もいそうだな。

宇宙人が現れたというニュースがマスゴミから流れても、

科学的に有り得なくてデマに決まっているので、

私も宇宙人など相手にせずにネットをしていると思いますww

http://ameblo.jp/keichapp/entry-10000870147.html
http://ameblo.jp/gokigoki/entry-10010013026.html