『宇宙に隣人はいるのか』 ポール・デイヴィス
- 作者: ポールデイヴィス,Paul Davies,青木薫
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 1997/08/01
- メディア: 単行本
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宇宙に地球型惑星が一兆×一兆個あったとしても、
生命誕生は有り得ない。
生命発生の確率を満たすには宇宙は狭すぎる。
今の宇宙より少なくとも一万倍の広さは必要だと言う、
いない派の論旨が参考になる。
それでも著者はいるというトンデモ理論を開陳しているがw
物理法則の中に複雑な組織系が生まれる法則があるそうですw
宇宙は必ず生命体、自意識を持つ知的生命体を生み出さねばいけないそうですww
宇宙人を考えるにおいて、
自意識を持たない知的生命体も論考しているのはちょっと知的レベルが高いが、
物理学者のくせにこの著者は哲学に汚染されている傾向がある。
素晴しい自意識が進化のオマケ、単なるボーナスでは許せないらしい。
目的論必然性を否定するのが科学的立場だが、
この著者はさすがに神の御業は否定しているが、
突然変異と環境適応で意識ある人間に進化したという進化論は否定してます。
人間に進化したのは偶然の積み重ねなのに、
この著者は必然だと言ってます。
まともな進化論学者は、スティーヴン・ジェイ・グールド もリチャード・ドーキンス も、
歴史を巻き戻してもう一度進化させても、
人間なんて誕生しない、知的生命体に進化しないと言っているが、
この著者は自意識を持つ知的生命体に進化するのが必然だと言ってます。
訳者の青木薫氏もこの著者の考え方は危ないと後書きで触れてまして、
この著者は基地外だが、訳者の青木薫氏の素晴しさが認識出来たのは良かった。
自分が訳した本でも原著者のおかしいところはおかしいと突っ込める
青木薫氏は信用出来る。
理系の翻訳本は青木薫訳を追っかけようと思います。