『X Day.』 三原順

X day (白泉社文庫)

X day (白泉社文庫)

アデール「だからって… それじゃ他にどうしろって言うの?

"教会に通え"なんてのは真っ平よ!

私信じてないもの、神様も…教説も!

永遠不変で同時に真であるなんて言うものなんか!!

通っている教会の牧師が離婚して二年目にまた再婚したとしたら?」

ダドリー「ああ…成程ね、つまり…神の前での永遠の愛の誓いを破ってはならないって
言い分と…
       最早、真実のものではなくなった愛を装うよりは別れる方が正直だって言い分と

両方は通せないくせにって?」

アデール「でも牧師は今でも信者に誓わせるわ!

まだ存在しない時の事を!

限られた情報内での誤ってるかもしれない判断のもとで!

そんなのってちっとも現実的じゃないわ!

そんなのって部屋の内から西の空だけを見て

明日の天気を断言するのとどれだけ違うって言うの?

とにかく! 私が聞きたいのは…

      宗教よりずっと現実的に当面の問題の解決策を示してくれるものがあるなら…
      それをあてにしちゃいけないっていうどんな理由があるのかなの」


本書は三原順の最高傑作である。

はみだしっ子」と一連の社会派ものを見事に融合し、収斂したものが本書である。

本書を読んでおけば、他の三原順作品は読まなくていい。

男女の問題、家庭の問題、仕事の問題、それらすべてが、

ラストで見事なハッピーエンドになるが、

反戦反核運動をして、恒久的世界平和を築いていなければ、

そんなハッピーエンドなんて、まやかしだと判る、素晴らしい反核漫画である。

我々は、オマ○コだとか、オゼゼだとかの欲望を誤魔化す為に宗教に走る暇があるのなら、

反戦反核を叫ばねばいかんのである。

家庭の幸福などはどうでもいいのである。

イェ〜イ!反戦反核してるか〜い!

愛しあわなくたっていいんだヨ〜ン!

反戦をアジッていればそれでいいのよぉ〜ん!

初版を買い損なって、なかなか見つからなかったが、買ってよかった!

アナタも本屋で見かけたら、即、買うべし!

反戦とあれば、即、参上!イェ〜イ!