『11人いる!』 萩尾望都
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1994/12/10
- メディア: 文庫
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本格SF漫画。これ以前にも「精霊狩り」というエスパーものがあらせらり、
「ポーの一族」も広義のSFと言えなくはありませんが、
宇宙船内が舞台になる「11人いる!」は素晴らしい本格SFでございました。
卒業すればエリートとしての成功が約束されている宇宙大学の入学試験は
10人ごとのグループ試験であった。
試験場となる宇宙船に次々と乗り込んでくる受験生たち。
エアロック内でヘルメットを外しかけた時、一人が叫ぶ。
「おい、おかしいぞ、11人いる!」
不正な11人目を探すミステリータッチで物語は進む。
主人公の超能力も11人目を確定出来ない。
11人目に疑心暗鬼となる受験生たち。
そんな中、11人目の仕業なのか、船内でテロ行為が発生する。
10人は11人目を発見し、見事に大学に合格出来るか?
という話であるが、
11人の個性あるキャラが描けるまで暖めていたテーマだけに、
11人の描写が素晴らしい。
私が一番萌えたのは、もちろん、雌雄同体の宇宙人フロルです。
「俺、女になってもいいや」
は、ジェンダーSF史上に残る名文句ですな。
自分の能力と適性に合わせて性を選択出来る素晴らしい未来社会になりますように。
ちなみにNHKでTVドラマ化された時は11人目が変えてありましたw
劇団ひまわりの舞台版は知りません。