『天は赤い河のほとり』 篠原千絵

天は赤い河のほとり 第15巻 (小学館文庫 しA 45)

天は赤い河のほとり 第15巻 (小学館文庫 しA 45)

夕梨はどこにでもいる普通の中学生の女の子。

ボーイフレンドとのファーストキッスも体験し、

明るく楽しい高校生活に夢を馳せる。

ところが、ユーリはタイムスリップ!

古代ヒッタイト帝国の守り神イシュタルとして召還されてしまうのです!

過去の世界で生き抜くためにユーリはイシュタルとして戦う。

イシュタルとして軍隊を指揮するうちに、

ヒッタイト帝国萌えとして目覚めたユーリは、

日本国民であることを捨て、過去の世界に骨を埋める決心をする。

日本でのボーイフレンドとのラブラブな高校生活なんてイラネ。

親兄弟もイラネ。

新兵器鉄剣を開発したヒッタイト帝国マンセー!

私は戦の神イシュタル、無敵の鉄剣部隊を率いて世界を征服よ!

という話です。(ちょっと違うw)


私が篠原千絵を好きなのは、

彼女の漫画は矮小な愛を否定するからである。

男女の愛も家族愛も篠原千絵の世界ではほとんど無意味である。

というか、この作品では主人公の家族への想いは自然消滅するが、

親兄弟同士で戦う作品の方が多いよな。

家族はどうでもいい存在か、もしくは自分の敵なのである。


守るべき絆というのは、社会の常識に押し付けられるものではなく、

自分の体験と知識で培うものなのである。

守るべきものは他人から押し付けられるものであってはならない。


ユーリはくだらねぇ現代日本を捨て、素晴らしきヒッタイト帝国の為に戦った。

君は何を守る為に戦う?