『おしゃべり階段』『いつもポケットにショパン』くらもちふさこ

普通の少女漫画の第一人者は多田かおると書いたが、

くらもちふさこではないかという説もある。

デビューした頃のくらもちふさこは普通に大成するかと思われたが、

気の遠くなるような超人気生活の果てに、

くらもちふさこは、脇役の表現というか、

絵柄が微妙に進化し続け、

ちょっと特異な到達点に達したので、

普通(万人受けするという意味)とはちょっと違うと思う。

ちょっとハイソの普通の女の子の恋愛話を、

リアルにおしゃべりし続け、

恋愛の結末はいつもハッピーエンドだが、

天然コケッコー」では、社会的問題意識の萌芽が見られる。

どれ読んでも同じに思えるくらもちふさこだが、

じわじわと作者が成長していく過程を楽しむ為に、

古いものから順に全部読んでほしい。