『チェイシング・リリー』 マイクル・コナリー 古沢嘉通 他訳 早川文庫

チェイシング・リリー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

チェイシング・リリー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

コナリーと言えばハードボイルドだが、

これはヤッピー上がりの科学者を主人公にしたサスペンスぽい。

ジャニス・ラングワイザーが出てくるので実は

“ハリー・ボッシュ”シリーズと同じ世界である。

それどころか主人公の親戚も “ハリー・ボッシュ”シリーズに登場してます。

主人公のファミリーネームにピンと来た人は必読。

本格推理小説としては、

三転した後の真犯人に至る手掛りが明示されてなくてアンフェア。

コナリー小説としては、主人公がラストで救いを得るのが、

論語なのが素晴しい。

大雑把で能天気なヤンキーなのに、

コナリーは東洋思想にも造詣が深くてイイ!

「怪力乱神を語らず」

超能力も神も人の心を救うことは出来ません。

知的レベルの高いまともな男はコナリーの小説で救われろ!