『終決者たち』 マイクル・コナリー 古沢嘉通 訳 講談社文庫

終決者たち(上) (講談社文庫)

終決者たち(上) (講談社文庫)

終決者たち(下) (講談社文庫)

終決者たち(下) (講談社文庫)

“ハリー・ボッシュ”シリーズ11作目。

本書のベストセリフ

「この世は、困難を克服できない人々であふれかえっている。

けじめはつかず、平穏はない。

真実は人を解放しない。

だが、困難をやりすごすことはできる。

光の方角へ向かい、穴をよじのぼり、

土を掘り、脱出することはできるのだ」


ボッシュシリーズで一番さわやかな希望にあふれた傑作。

ついに下品なセクースシーンが消えた!

ボッシュの禁煙も成功し続け、

チンピラを叩きのめす機会があっても暴力は行使せず、

欲望のまま暴れるハードボイルドから上品な警察小説に昇華しますた。

現代科学で捜査する甦ったヒラリー・ウォー みたい。

ヒラリー・ウォー 全部読んでしまったら、

無駄な描写がない洗練された上品な警察小説は二度と読めないと危惧していたが、

コナリーが見事にヒラリー・ウォー を後継しました。

全ての素晴しい小説の後継者はコナリーざんす。