9月読書メーターまとめ

9月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1344ページ
ナイス数:28ナイス

フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)
ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」等、映画的ドラマトゥルギーを否定した、21世紀に相応しいベトナム帰還兵の元殺し屋の新しい物語。主人公は60歳なのでジェンダー観は古臭いが、過去の因縁で命を狙われても、殺し屋を引退して丸くなった主人公は、敵の命を奪わないように戦うのが面白い。序盤100Pは引退後の平穏な日常描写なので退屈だが、アクションが始まったら一気読みです。テンポはドンドン加速し、1章1〜2Pぐらいになってしまい、サクサク読めます。ハッピーエンドかバッドエンドか、下巻に超期待。捻りが楽しみ。
読了日:09月15日 著者:ドン・ウィンズロウ
フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)
「犯罪組織の人間たちと付き合うのは、ゆがんだ時間軸の中で永遠の中学校に封じ込められるようなものだった」犯罪者を美化しない素晴しいクライム・ノベル。マフィアより政府組織の方が性質の悪い犯罪組織だという認識も素晴しい!マフィアの殺し屋より酷い悪党は政治家である。ラストのドンデン返しも見事に決まった傑作。
読了日:09月21日 著者:ドン・ウィンズロウ
物体X (ハヤカワ文庫JA)物体X (ハヤカワ文庫JA)
SFの真髄は中編にあり!という持論を持つ正紀のSF中編集。アイデアが無限に湧き出る天才正紀なので、中編に惜しみもなくアイデアを捨てる事が可能だが、普通の作家なら長編化するよな。1個目はホラーティストのせいもあるが、結末が中途半端な感じ。2個目はフロイド的精神世界内でのギャグ調冒険メタアクションで、長編ではくどく成りすぎるが、短編でも良かった感じ。中編としてそれなりにまとまってるのは、最後の作品だけか?無駄に引き伸ばした長編は嫌いなので、正紀の理想は理解出来るが、実例としての実作としては普通+ぐらいに思う 
読了日:09月23日 著者:山田 正紀
神の足跡(上) (講談社文庫)神の足跡(上) (講談社文庫)
量子コンピュータ開発に失敗した米政府は、クレイ社を追い抜いたゴーディン社の天才数学者の提言により、自分で考えるコンピュータ、人工知能開発に乗り出した。大統領からスタッフに招かれた主人公は、開発中のスタッフに次々と精神疾患が発生し、大統領に計画の中止を訴えようとするが、何者かに邪魔され、命を狙われる破目になる。自身もイエス・キリストであった事を思い出すほどに、主人公の精神病は進行していく。掛かりつけの精神科医と二人で、全米を敵に回しての二人の逃避行が始まる。超能力も目覚めてしまい、これってSFになるのか?
読了日:09月28日 著者:G. アイルズ

2011年9月の読書メーターまとめ詳細
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