『縄の戦士』 ピアズ・アンソニイ 峯岸 久 訳 ハヤカワ

核戦争後の地球、世界は社会が存在しない素晴らしいものになっていた。
世界中のいたるところに謎の宿所があり、そこを誰もが自由に利用して、
用意されている食料や衣服や武器を使用してよいのだ。
もちろん働かなくてもよいからお金も存在しない。
問題は子孫のことである。家族制度はその為に存在した。
宿所は見合いの場でもある。
<剣のソル>は宿所で女を見つけ、結婚しようとするが、
別の男とも同時に出会った。
この場合は女を賭けて決闘するのが掟である。
男は<あらゆる武器のソル>と名乗った。
宿所に用意されている六種類の白兵戦用武器を全部上手く使えるという。
ソル達は互いの名も賭けて闘うことにした。
さらに<あらゆる武器のソル>は、<剣のソル>が負けたら、
自分の参謀になりあらゆる武器の使用を禁ずると言った。
敗れた<剣のソル>は<ソス>と名を変え、
<ソル>の野望の王国を実現する為の参謀となる。
だが、ソスはソルとの約束を破ったことにならない縄を武器にすることを思い付いた。
<縄の戦士>として目覚めたソスはソルを裏切るのか?
2人の明日はどっちだ?
謎の宿舎はどうやって存在してきたのか?
宿舎にある量産タイプの兵器に長射程兵器がないのは何故か?
読者の予想通りにならないもの凄いストーリーがカットバックなしで語られるが、
SFとは認めたくない結末である。
2巻と3巻が当然存在するが、翻訳はないよな?
差別用語には覚悟して読んでください。