『丸山真男8・15革命伝説』 松本健一 河出書房新社

丸山眞男 8・15革命伝説 (人間ドキュメント)

丸山眞男 8・15革命伝説 (人間ドキュメント)

本書のベストセリフ

丸山真男大日本帝国の"実在"より、戦後民主主義の"虚妄"に賭ける」


うぉぉぉ!なんてかっちょええんだ。

さすが、理想的左翼の丸山である。

だが、本書は単純に丸山を賛美した本ではない。

著者が丸山の弟子扱いされることもある松本健一であるが、

松本氏は丸山に論争を挑み、

丸山の欠点を暴きだし、

アフォ教授丸山を東大から追い出した男であるw

丸山の欠点とは、本質論を語らずに、

状況論で逃げるということである。

厳密に限定され仮定された論理から展開する丸山理論は、

隙がないように見えて簡単には反駁出来ないように思われるが、

自分の立ち位置を誤魔化した虚しい理想論である。

理想に燃える左翼には丸山理論だけで生きていけるが、

机上の言葉遊びの天才の丸山は、

左翼学生のカリスマとなったが、

学生運動の最中に虚妄を見抜かれ、

学生たちに研究室を破壊される破目になる。

その時丸山は学生達をこう叱った。

ナチスドイツさえこんな酷いことはしなかったぞ、ゴルァ!」

カリスマと持ち上げられ、利用したがる奴の神輿にも喜んで乗った丸山だが、

実は自分のシンパにさえ、丸山は愛を感じない。

論理、理屈を発表する機会を求めているだけ。

吉本隆明は丸山を全否定したが、

思想史的に丸山の価値というのは、

1945年8月15日は終戦敗戦の日と解釈すべきではなくて、

軍国主義が民主主義になった素晴しい無血革命の日だと解釈すべき

だという意見を最初に発表したからである。

左翼なら誰でも思いつく理屈だが、

公式に発表したのは丸山が一番早かった(1946年)のである。

丸山は二流だと思っていたが、

この本読んで、自分の見解に自信が持てました。

丸山は戦前を、昭和も明治も一緒くたにしているアフォである。

明治時代の大日本帝国は世界一の国家だっちゅうの!

悪の阿呆になったのは、昭和9年からである。

左翼として期待される説を吐くのはいいが、

歴史の捏造はいけませんぞ丸山先生w

教養溢れる松本氏なので、

丸山以外の話題にも触れているが、

中曽根康弘の素晴しさを訴える文は新鮮であった。

小物のタカ派右翼と思われている中曽根だが、

岸伸介に反逆した素晴しいエピソードがあるのだ。

アメリカ追従ではない、本物の愛国者中曽根万歳!

そのエピソードを詳しく書くと、岸伸介の悪が強調されるので、

岸の孫が総理大臣やってた事もある民度の低い日本では危険でここには書けません。

気になる人は買って読んでね。