『パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ』 ミチオ・カク NHK出版

パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ

パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ

ティーヴン・ウェッブ の『現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章』 と、

70%はネタ被りだが、超対称性の何が超なのかは、

こっちの方が判り易い。

自乗して0になる0以外の数=超数という概念で計算するので、超対称性なのである。

超が付く数には、超越数とか超限数とか超自然数とかあるのに、

単純な超数というネーミングは混乱の基なので、

数学者による再ネーミングを求む。

物理学者のネーミングセンスは悪いというネタが、

一流の宇宙論学者が書いた本として、

自虐ネタで感心しますw

ビッグバンという用語を作ったのは、

反ビッグバン論(定常宇宙論)のフレッド・ホイル である。

素粒子より小さい音の無い爆発で始まったのに、

ビッグバンとホイルが言ったのは、

ビッグバン理論を茶化したからだが、

これよりインパクトのある名称を、

ビッグバン論者は考え付けず、定着してしまったそうです。

ティーヴン・ウェッブ 同様ミチオ・カクもSFファンで、

本書には、

ポール・アンダースン の「タウ・ゼロ」 、

アイザック・アシモフ の「神々自身 」 、

グレッグ・ベア の「永劫」 等の

別宇宙ネタのSFも紹介されているが、

ネタバレが酷過ぎて、

上記の三作を読む予定の人は本書を読むのは後回しにしよう。

最新の量子力学、M理論を基にした宇宙論の本だが、

この本のレベルにもっとも近い

スティーヴン・バクスター のSFが出てこないのは何故だろう?

SFを超えたサイエンスノンフィクションと宣伝されているが、

この本にまとめられる前に、

同じネタをとっくの昔にスティーヴン・バクスター がSFとして書いているが?

量子力学ネタSF別宇宙(並行宇宙)SFとしては、グレッグ・イーガン や、

ロバート・J・ソウヤー も有名だが、二人も出てこない。

鋭い人は気づきましたね?

スティーヴン・バクスター はイギリス人、

グレッグ・イーガン はオーストラリア人、

ロバート・J・ソウヤー はカナダ人である。

ミチオ・カクはアメリカ国籍である。

宗教に対するアプローチからも、

ミチオ・カクはアメリ原理主義に汚染されていることが読み取れる。

これでしか触れてないネタもあるけど、

70%はネタ被りなので、

これを読むよりは、

ティーヴン・ウェッブ の『現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章』

を読んだ方がいいかもしれない。

ティーヴン・ウェッブ の『現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章』

の方が図表や写真は豊富です。

もちろん両方読むのがベストだが、

私はミチオ・カクの本はもう読む気ありません。

ティーヴン・ウェッブ は読みたいけどな。

量子力学の話題はスティーヴン・ウェッブ より深いので、

浅い知識でグレッグ・イーガン のSFに騙されている人は、

本書を読んでグレッグ・イーガン は糞だと覚醒して下さいw