『天の筏』 スティーヴン・バクスター 古沢嘉通 訳 早川文庫

天の筏 (ハヤカワ文庫SF)

天の筏 (ハヤカワ文庫SF)

重力定数が10億倍の宇宙に迷いこんだ宇宙船乗組員の末裔たちは、
呼吸可能な大気に満たされた〈星雲〉で生き延びていた。
彼らは宇宙船の残骸である円盤状の筏〈ラフト〉を中心にして社会を形成し過酷な環境に耐えてきたのだが、
〈星雲〉の寿命が残り少なくなったいま、人々の命運も尽きようとしている…。
この危機を打開すべく、勇気と好奇心にあふれる少年リースの冒険が始まった。

というのが公式な紹介文です。

まず、重力が10億倍ではなくて、重力定数が10億倍という設定が面白い。

そこから別宇宙を計算しただけのハードSFとも言えるが、

少年の成長物語として読んでも、感動出来ます。

社会維持の為に、自分の嫌いな人物の命も、

自分の命を賭けて助けるまでに成長していくリースが感動的。

ハードSFとして計算間違いがあるのかどうかはよく判らない。

自由落下状態(無重力状態)でズボンの裾が動く描写がなんか、

重力なのか潮汐力なのかいまいちはっきりしなくてひっかかるのですが、

問題ありませんよね?

バリバリのハードマニアの人の検算を求む。