『五番目の女』 ヘニング・マンケル 創元推理文庫

五番目の女 上 (創元推理文庫)

五番目の女 上 (創元推理文庫)

五番目の女 下 (創元推理文庫)

五番目の女 下 (創元推理文庫)

"クルト・ヴァランダー"シリーズ第六作。

本書のベストセリフ

ホモセクシャルの男たちが兵隊にわざわざ応募するとは、ちょっと考えられませんが」

「いや、そんなことはない。ホモセクシャルの男たちが兵士になるのはまれなことではない。

自分の性的嗜向を隠すためにそうする者もいるという」


相変わらずジェンダー観と言うか人権意識のバランス感覚が素晴らしい!

訳者も福沢諭吉並の天才。

嗜好でも指向でも無くて嗜向ですぞw

人間ドラマが素晴しいが、つまんないことを描きすぎの鬱陶しい純文学には走らずに、

エンタメのミステリとして巧くまとまっている。

国際的視野のメッセージ性、テーマ性も感動を呼ぶ。

本書の化け物のような女犯人(身長180cm、80kgの男も軽々と投げ飛ばす)もとても魅力的。

トム・ロブ・スミスの『グラーグ57』の女テロリストと競演させてやりたいと思いました。

21世紀にもなっても弱い女を守る為に正義の男と悪の男が戦うなどという

古臭い小説書いてる奴は、パレスチナゲリラの支援にガザに行って、

マンケルの命を救う為、盾になって死ぬよろし!

小説書くだけでは満足出来ずに、

パレスチナ(ハマス)の味方して、

イスラエル(と裏に潜むイギリス、アメリカ)を敵に回すマンケルは凄いよな。

日本の狭い文壇の中で喧嘩している純文学の先生たちには笑っちゃいますなww

http://ameblo.jp/honyomi-world/entry-10661882324.html