『リュオン』 佐々木淳子 幻冬舎漫画文庫

本書のベストセリフ

西荻北斗「いっそ無くなってしまえばいい。国なんて概念!」


ダークグリーン」から十年後、

人間が侵入不可能になった「Rドリーム」で、

リュオンはたった一人で、

悪夢ゼルと戦い続けて来た。

永遠に続く孤独な戦いに耐え切れず、

リュオンは人間達との思い出も封印して戦い続けていた。

10年間、人間が現れなかったRドリームだが、

人間側の最大のヒーロー、ホクトが遂に顕現した!

だが、リュオンはホクトの事も忘れていて、

ホクトをゼルの罠と思いながらも、

二人の奇妙な戦いは続く。

戦いの中、リュオンは「那由他」 の敵が人類の味方だった

3000年前の現実世界に召喚され、

那由他」 達、優れた超能力者が精神統一体にならないと

突破出来なかった、あの「場」にまで到達する。

那由他」 達の恐るべき敵となる「彼」とリュオンの精神力を合わせても、

あの「場」は超越出来ず、

リュオンは膨大なエネルギーで再び時間移動し、

ダークグリーン」 より150年後の

ブレーメン5」 の世界にワープする。

リュオンは「ブレーメン5」 のメンバーに

那由他」 の敵の子孫がいると判断する。

ブレーメン5」 のリーダー、タウロは、

那由他」 事件も「ダークグリーン」 事件も

我々の世界では起こらなかったとリュオンに説く。

リュオンは最愛のホクトが待つ「Rドリーム」に帰れるのだろうか?


リュオンを狂言回しにして、

佐々木淳子の三大傑作をリンクさせてしまった、

ファン垂涎の短編集である。

少女漫画としては思想的にハード過ぎ、

少年漫画としては絵が可愛過ぎ、

判り易い漫画を求める編集者に

「うちの誌面には合わない」

と発表の場を無くしていった佐々木淳子だが、

漫画なのに思想的に真面目すぎたのが敗因ですな。

反戦漫画反日漫画としてもいいから、注目してほしい。


文庫化に際しダークグリーンものの最新書き下ろし

「ミュロウ」が追加されている。

新キャラがついにあの禁断の言葉を呟く…

「ホクトとリュオンってゲイ?」

本格SFと宣伝しても売れないので、

BLものとして売った方が良い?w

真面目な深いネタとしては、新型のゼルも登場しました。

その進化した悪夢の名は「リサイクル」。

30年前から漫画で環境問題を訴えてきたずんこ先生だからこそ、

無意味なエコ運動へのアンチテーゼを描いても重みがある。

娯楽の漫画でも社会問題を叫び続けて来た、

現在は同人作家のずんこ先生は本物の表現者

金儲けの為にクリエイターになる奴は浅ましいよな。

金なんて創作活動しなくても稼げるのになw

創作したいのなら、大ヒットしなくても、

自分のやりたいように創作すればいいのになww