「エミール・ノルデ」編集:木村理恵子

2004年に行われたエミール・ノルデ展の図録である。

ノルデの名セリフを書いておく。

「私は、自分が描きたいものではなく、描かなければならないものを描く」

女が好きだから女の裸ばかり描いている奴の心は軽薄すぎて、

深遠な魂の芸術を理解してませんな(藁

社会の為、芸術の表現の発展の為に描かなければならないという使命感なしに、

お気楽にお絵かきして金稼ごうと考える奴は芸術家じゃないよな。

「戦争が終結して最初の夏にはすでに、心から幸せを感じながら油彩画を描いた。

今なお描くことができたのだ!

内面の奥深くに閉じ込められていた感情が解放されて、迸り出るようだった」

戦争前にナチスに退廃芸術の烙印を押されたノルデの絵は、

ドイツの美術館からゴミ扱いされて処分されて消えた。

更にノルデにはゲシュタポの監視が付き、絵を描くことを禁じられた。

それでも真の芸術家のノルデは絵を描く使命感を抑えられない。

油彩画は臭いで発見される確率が高い。

ノルデはゲシュタポの監視を逃れながら、小さな水彩画を7年間も描き続ける。

泣けるよな。

多様な価値観を認めない独裁主義国家では、絵を描く権利すら奪われることがある。

絵を描ける幸福に感謝せずに、50号や100号のでかい絵を描いて、

美術館に飾って貰いながら、鑑賞希望者を入場拒否する画家って、

民主主義の敵だと思う。

ノルデは、すぐ隠せる小さい水彩画ではなくて、

でかい油彩画をのびのびと描きたいと思いながらも、

7年間我慢したのは感動的だよな。

ノルデの素晴らしいところは、ナチスに迫害されても、

祖国ドイツを捨てて亡命しなかった点である。

悪の阿呆のナチスとも共存でき、

お互いがより良い存在に進歩出来ると信じていたんですよね。

ヨーロッパより文化芸術が100年遅れてる野蛮なケダモノの国

日本で生き続けるのは地獄だが、

ノルデの根性を見習って7年間は辛抱したいと思います。